ジャン・クロード・ベイリュー - Jean Claude Beirieu - [ ラングドック地方 リムー ]

- 二番通り酒店 -

“ジャン・クロード・ベイリュー

スパークリング発祥の地、守り続けるリムーの味わい

世界遺産カルカソンヌの南、ピレネー山脈の麓にある囲まれたリムーという場所でワインをつくるドメーヌ・ベイリュー。当主のジャン・クロード・ベイリューと奥さんのアンヌは、6haの畑を1981年からビオで栽培してきました。彼らの住むロックタイヤードという村は、大きなくくりではラングドック地方ではありますが、標高は400mに位置した山間の村でラングドック地方の平均気温よりも2度から3度低いです。彼らはサロン(試飲会)に出ることも稀で、宣伝などをすることなく素朴で静かな生活を大切にしてきました。もう30年以上に渡る誠実な畑仕事。醸造に置いても自然体なワインつくりを続けてきました。ヴァンナチュールの先駆者であるにも関わらず日本でもフランスでもあまり知られていません。フランスで唯一彼らのことを知っていたのはフォンテディクトのベルナール・ベラッセンでした。頻繁な交流がある訳ではないそうですが、お互いがしていることへの敬意を持ってきたと聞いた時に感動したのを覚えています。ジャン・クロードとアンヌの元を訪問すると感じるのは、まるでボジョレーのクリスチャン・デュクリュを訪問する時と同じような感覚。それは100年以上前の生産者を訪問しているかのようなタイムスリップした感覚です。現代のワインつくりにおけるテーゼがあるからアンチがある訳ではない、彼ら自身が外の世界にとらわれず、何百年も前の自然体なワインつくりがそのまま彼らに宿っているように感じるのです。リムーは1531年にスパークリングワインが発祥した土地です。彼らのつくるスパークリング「ラ・ボエム」は補糖をせず昔から伝わる伝統的な手法でつくられます。ピュアで優しく体が美味しいと感じる味わいは、スパークリング発祥のこの場所で、先人たちの飲んでいた味わいへと想いを馳せさせてくれます。81年からワイン造りを始めてもう40年弱。周囲の自然環境に調和したワインを生み出すこと、そのワインの価値を常に自問自答し続けること、そこに生きる人々と喜びを分かち合えること、彼らがワインつくりに大切にしていることだそうです。長い歴史の中で忘れ去れて行くリムーの伝統的な味わいを今なお大切にしてくれている貴重なつくり手であると同時に、その土地にしっかり根ざした強くエネルギーに満ちたワインでもあります。全て手張りのエチケットは2016年からアンヌの出身であるベルギーのイラストレーターが描いたものに。二人らしい優しさあふれる素朴なエチケットです。

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