オリヴィエ・ブラン - Olivier Boulin - [ ジュラ地方 シャンヴァン]

- 二番通り酒店 -

“オリヴィエ・ブラン

フランス中のブドウで自分の感性を豊かに、そして自分を介したワインでみんなの心に響かせたい

ジュラ地方ドールの街から程遠くないChampvans"シャンヴァン"という村で2018年からワインつくりを始めたオリヴィエ・ブラン。まだ30代半ばの青年はシャイで大人しそうな見た目ですがデギュスタシオンをしているうちに、ちょっぴりというよりだいぶロックな青年だと感じました。それでいて農業や社会問題、環境問題にいたるまでとても考えているギャップの面白い若いヴィニュロンです。フランスの様々な生産者の収穫に参加していろんな人との出会いを重ねてきました。いい出会いがあればそこに長く滞在し、議論をしながら交流を深め、その場所の良さを知ることが楽しかったそうです。そんな旅のような生活の中で最初の大きな出会いがシャブリのヴァンサン・ドーヴィサ。彼らの畑仕事や哲学に触れ大きく心を動かされました。そしてアルボワのエマニュエル・ランコンの仕事にも大きなインスピレーションを得たそうです。その後、オーストラリアのワイナリーを旅したり、ブルゴーニュのシルヴァン・パタイユなどで研修して独立します。それまでの経験で出会ったフランス各地の仲間たちからブドウを購入しワインをつくり始めました。どのブドウも自分で収穫しに行き、シャンヴァン村にあるカーヴに運び醸造。その土地それぞれの気候やテロワール、品種特性を感じてワインをつくるのが彼の感性を大きく育ててくれるそうです。醸造へのアプローチは自然体。もし農業が私たち人間の文化の源であるならば、商業的や経済的なワインつくりではなく、昔のワインつくりへと自主的に先祖返りすることで今の社会の枠組みや人間性を再構築することに貢献できるのではないかとオリヴィエ。古いプレス機を使い、醸造用製品や電気を多く用いることなく、15世紀に建てられた古いカーヴでゆっくりと熟成させます。環境や社会への考えを日々深め考え行動する情熱、それでいてロックなノリは新しい世代の波を感じました。つくられるワインは数樽のみのどれもミクロキュヴェ。ナチュラルワイン、とはいえ人が介在する以上ある意味ナチュラルという言葉は不自然、自分が介在する以上、自分の意図を感じるワインをつくりたい...彼のワインつくりの哲学を感じます。2021年にはブルゴーニュ地方サントネイに彼自身の畑も持つことができました。彼の奥さんはストラスブールでバイオリニストをしています。音楽とワインはとても合うんだ、自分のフィルターを通してフランス各地のブドウでつくられるワインをみんなの心の中に響かせたいと熱く語るオリヴィエのワインをぜひ感じてみてください。

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