ラパテル - Rapatel - [ ラングドック地方 カマルグ ]

- 二番通り酒店 -

“ラパテル

納得するまで蔵熟成。価格からは考えられないバランスの良いワイン。

南仏の地中海の近く、カマルグという町にあるドメーヌ・ラパテル。ローヌとラングドックの中間にあり、どちらの気候とも異なるワイン産地です。私たちもあまりワイン畑のあるイメージはありませんでした。周囲に山がなく、ミストラルというこの地方特有の風がダイレクトに強く吹きつけ、畑は乾燥し、南仏のギラギラした太陽がサンサンと照らしつけます。当主は体つきが大きく物静かなジェラルド・エロー。カマルグは闘牛で有名な町でジェラルドも大の闘牛好きです。エチケットそれぞれに闘牛にまつわるものがさりげなく散りばめられています。1905年にジェラルドの祖父が修道院から畑を購入してから続くドメーヌ。立ち上げた当初はブドウ畑だけでなく子羊も飼育していたそうです。1950年にジェラルドの父が後を継ぎましたが、その代にフランス政府が飛行場をつくるためにドメーヌの敷地の半分を没収するという悲しい出来事もあったそうです。ジェラルドがドメーヌを継いだのはその後の1979年のこと。ジェラルドはヴィニュロンになる以外の選択肢は何も考えていなかったと言います。ブドウ畑を愛するジェラルドは引き継いですぐに農薬や除草剤を使わないナチュラルな畑仕事に切り替えます。誰かに影響を受けたとか流行とかではなく、愛する畑にとってそれこそが当然の選択だと思っていたそうです。畑仕事や醸造はまるで恋愛のようだとジェラルドは言います。時に思い通りにいかず腹立たしく距離を置いたりするけど、少し時間が経つとどう接すればいいかを考え、その畑の今まで感じてなかった一面を感じとれるのだそうです。醸造において培養酵母や酸化防止剤は使用しません。全て樹脂タンクかコンクリートタンクで長期間かけて熟成します。彼が納得いくタンクのみ瓶詰して、そうではないタンクはバックインボックスで国内のみで販売されます。彼が納得するまで5年以上寝かせることもあります。彼が納得し瓶詰されたワインは、液体としてのまとまりがあり、長期熟成したことで心地よい熟成香と複雑味が生まれ、サンサンと太陽を浴びたブドウならではのリッチさを残しつつ、角がとれた素晴らしい液体です。これだけの長期熟成をする中で、場所の確保や費やす時間を考えた時に、ラパテルのワインは価格が良心的すぎるほどです。ラパテルはカタルーニャ語で「暑い太陽」の意味。ドメーヌを立ち上げる前、修道院が所有していた時代の名前をそのまま引き継ぎました。ダイレクトに照りつけるこの暑い太陽こそが、この太陽の下、闘牛の里で育つ逞しい男たちがこそが、このワインがこの土地で生まれたことを象徴する証となって液体の中に刻み込まれています。

[ 戻る ]