ステファン・ベルナドウ - Stéphane Bernaudeau - [ ロワール地方 アンジュ ]

   

“ステファン・ベルナドウ

職人ステファンが生み出す、テロワールを見極めミネラルを表現するワイン

ロワール地方アンジュ。この地方で驚くほど素晴らしいワインをつくるステファン・ベルナドウ。彼の生み出すワインは知る人ぞ知る、愛好家たちがこぞって欲しがるワインです。フランス国内でも彼のワインはほぼ手に入らなくなり、毎年参加していた地元アンジュのサロン(試飲会)に出せるワインもなくなりました。彼のワインはすべて区画ごとにつくられます。レ・ヌリッソン、レ・テール・ブランシュ、レゾングレ。現在はポソニエール、コクリーという小さな区画も二つ増えました。それぞれの畑のテロワールが持つミネラルがそれぞれの液体に美しく反映されています。アンジュ地方で生まれたステファン。1995年、彼が22歳の時からロワールの巨匠マルク・アンジェリの元で働き始めました。主に畑仕事でブドウと向き合っていましたが、いろんな生産者と出会い、ワインと触れる中で徐々にワインへの情熱を強めていきます。2000年、こちらもこの地方の先駆者であるエリック・カリュクがレ・ヌリッソンの畑を手放すタイミングで、ステファンがこの区画を引き継ぎます。わずか0.7haの区画。シスト土壌に植えられた樹齢100歳にもなる古樹のシュナン・ブラン。鉄線を張らず、この地方では珍しいゴブレで育てられるブドウ畑はまるで不思議な森に迷い込んだかのような感覚になります。この畑から生まれるワインをピュリニー・モンラッシェと表現する人がいるほど素晴らしい区画です。こうしてマルクの元で働く傍らでワインつくりを始めましたが、2015年にはマルクの元を離れ独立。赤ワインもつくっていましたが畑が家から遠かったこともあり、より効率的に畑仕事に集中するため現在は手放しました。栽培はビオディナミ。まるでステファンのリーダーシップの元にブドウの樹々がわき目をふらず、地中深くのミネラルを探しているかのような畑仕事。生み出されるワインは余分なものが削ぎ落とされ地中のミネラルが液体の中に美しく表現されています。ステファンはしっかり熟したブドウにこだわります。「熟してない果実を普段食べないだろう。まず熟したブドウを収穫することなんだ。そしてその後は樽熟成だろうがタンク熟成だろうが、それは各々が考えればいいことだけど、まずは熟したブドウを収穫することが大切だ」と語ります。そして「自分のワインは4〜5年後に開きはじめる。それは僕のつくるワインのロジックでそれを知って向き合ってほしい」とも。地元では引きこもりと言われるほど外との関わりがほとんどないステファン。奥さんと子供2人との静かな生活を大切にしています。そしてストイックに畑仕事に向き合っています。ステファンの知識・経験と心配りが最初から最後まで行き届き、愛と情熱を注がれたワイン。彼は生粋の、そして指折り数えるほど貴重な"職人"だと私たちは感じています。それぞれの区画の持つテロワールを見極め液体に表現する職人。アンジュ地方で生み出されるアペラシオンやブランドなどに惑わされない圧倒的に素晴らしいワインです。

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