ブリュノ・ロシャー - Bruno Rochard - [ ロワール地方 アンジュ ]

   

“ブリュノ・ロシャー”

ワインの95%は畑仕事から生まれる...愛着あるアンジュ地方のワイン

アンジュ地方、ラブレー・スール・レイヨンにあるドメーヌ・ド・ミルボー。アンジュ地方らしい緩やかな丘を描くように続くブドウ畑の美しい景観を進み、少し奥まった林の中に入っていくと現れる静かなドメーヌです。当主は4代目になるブリュノ・ロシャー。ブリュノの曽祖父がこの地にやってきたのは1900年のこと。その当時はブドウ畑だけでなく酪農や果物・野菜などを育てるポリカルチャーを営んでいたそうです。ブリュノはハンディキャップを持った人を補助する仕事や養鶏の仕事をしていましたが1998年にドメーヌを引き継ぎました。当初約9haあったブドウ畑は、自分の手が届く範囲で丁寧に仕事をしたいと少しずつ手放し、現在6haの畑でワインをつくっています。すべての畑がドメーヌのまわりを囲むように存在し、どの畑も隣人がおらず他の影響を受けることがありません。畑の土や空気に化学物質を使いたくない、周囲の川にそれらが流れ出ることを嫌い、早くから有機栽培への意識を持っていました。2002年から有機栽培に移行し、2006年にはすべてビオロジック栽培へと切り替わりました。畑にはクルミや桃、サクランボの木などを植えて鳥や昆虫が畑に寄ってくる環境つくりに力を入れています。約2haがカベルネ・フラン、1.3haグロロー、残りはシュナン・ブランを植えています。すぐ近くでワインをつくるリシャール・ルロワから「ブリュノは誠実に淡々と、丁寧な仕事をする素晴らしいヴィニュロン」と聞いていましたが、会ってみてまさにその通りだと感じました。二人の交流は作家エティエンヌ・ダヴォドーが描いた「LES IGNORANRTS」というフランスでは多くの人に知られた本でも描かれています。収穫を手伝いに来てくれるチームはリシャールとブリュノの両方の畑で収穫し、トラクターや道具などもお互いで共有するほど気心の知れた二人です。ブリュノのワインは地元のワインショップ、バーやレストランでも定番で置いてあり、彼のワインへの信頼の厚さを感じます。ブリュノはエレガントてまっすぐ、酸のきれいなワインがつくりたいそうです。その上で畑仕事がワインの95%を占めているとブリュノ。何よりも大切にしていることは出来る限り畑で過ごすこと、自分自身を自然な状態に置いておくことだそうです。物静かで常に謙虚さを持ったブリュノは淡々と畑と向き合う、尊敬すべき農家の人の姿を感じます。品種ごとの果実味がきれいに表現された彼のワインは、私たちが住んでいた愛着あるアンジュ地方にいつでも戻った気持ちにさせてくれる、常にそばにあってほしいワインです。

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