ドメーヌ・ラ・トープ - Domaine la Taupe - [ ロワール地方 トゥーレーヌ ]

   

“ドメーヌ・ラ・トープ

ブリュノ・アリオンの畑と哲学を引き継いだオランダ人夫婦の新たな冒険

トゥレーヌ地方、テゼという町でワインつくりを始めたオランダ人のベルトヤン・モルと奥さんのニコル。1999年にフランス滞在中にナチュラルワインを一口飲んで感動し、2003年にオランダで「BRUUT」というナチュラルワインの輸入業を始めました。ナチュラルワインに惹き込まれていく中で、常に畑で働きたいという気持ちがあったベルトヤンは2016年にロワール地方の彼が取引する生産者たちに、畑を探したいが協力してくれないかと相談しました。ニコルが「ベルトは彼らに手書きの手紙で思いを伝えたのよ」と教えてくれました。ベルトヤンの誠実な人柄が感じられます。「畑仕事が決してロマンティックな仕事とは思っていない、真摯な気持ちで畑と向き合いたいと思ったんだ」とベルトヤン。そんなベルトの想いの中で、引退を決意したブリュノから畑を譲ってもらえる話をもらったのが2016年のこと。ブリュノのワインが大好きで、彼が天塩にかけて育ててきた1995年から有機の畑を譲ってもらえることは彼らにとって最高の話でした。こうしてベルトヤンとニコルはブリュノの畑の半分の6.5haを購入し、ワインつくりの道へ歩むことになります。ブリュノの残りの半分はカナダ人のカップルに、そして少しだけダミアン・ムニュという若い青年にも譲られました。ブリュノのワインを愛する一人の飲み手でもあるベルトヤンは、ブリュノの哲学をそのまま大切に引き継いでいます。畑を譲り受けてから数年、ブリュノがそばについて畑仕事や醸造の多くのことを教えてくれました。ブリュノの長年の真摯な畑仕事で畑には多くの植物や微生物が生息しています。カーヴもそのままブリュノから引き継ぎました。石造りの黒カビが多く付着したカーヴはひんやりと湿度が高く、素晴らしいワインが生まれる要素を多く兼ね備えています。ベルトヤンは「ブリュノは紳士で温厚な人柄、そしてスピリチュアルな精神も持っているんだ。ワインつくりを始めて迷うことや壁ももちろんあるけど、自分が強く思えば必ず叶う、成功するんだとブリュノが常にそばで言い続けてくれた」と語ります。ブリュノのリスペクトから、彼のつくっていたキュヴェの名前もそのまま受け継ぎました。私たちとってもそれはすごく嬉しいことです。ブリュノの引退は寂しかったですが、彼らのワインを飲んでいると受け継がれている精神と新しい時代をしっかり感じ取れます。ブリュノは完熟まで待ってブドウを収穫していましたが、ベルトヤンはワインに酸とフレッシュさも乗せたいと収穫のタイミングをブリュノの時代より少しだけ前にたそうです。ブリュノの哲学をしっかり受け継ぎながらベルトヤンとニコルらしさを感じます。彼らの苗字のモルは、オランダ語でモグラのこと。なのでドメーヌ名はフランス語のもぐら「トープ」という名前になりました。モグラは畑がナチュラルであることの象徴だからとベルトヤン。エチケットの絵は奥さんのニコルが描いたもの。ブリュノの意志を引き継ぎ、夫婦二人三脚で着実に前進しています。

[ 戻る ]