クンプフ・エ・メイエ - Kumpf et Meyer -  [ アルザス地方 ローゼンハイム ]

   

“クンプフ・エ・メイエ

秘めた挑戦心とともに、さらに進化するジュリアン・アルベルチュスの世界

ローゼンウィラーでワインを造っていたグザヴィエ・メイエの息子のフィリップ。モルセンハイムでワイン造りをしていたジョセフ・クンプフの娘のソフィー。1997年に二人が結婚してドメーヌが一つになり生まれたのがクンプフ・エ・メイエです。ただフィリップには他にやりたい事があり、ソフィーはワイン造りには携わらず、そんな中でドメーヌの灯火を消さないように、プロフェッショナルな畑仕事、醸造を目指せる人材を探していましたが、その時に白羽の矢がたちヴィニュロンとして招かれたのがジュリアン・アルベルチュスという青年でした。2010年のことです。ジュリアンはアルザスでビオディナミでブドウを栽培するチュスランなどで研鑽を積みました。ドメーヌに招かれてから、16ha、70の区画におよぶ畑をビオロジックに転換し、2012年からはピノ・ノワールで初めて酸化防止剤を使わない醸造に挑戦。2016年にはドメーヌのすべてのキュヴェをナチュールへと転換します。口数が少なく、一緒に過ごすと時間の流れがゆっくりに感じる不思議な空気感を持つジュリアン。毎年新しいことに挑戦した結果として生み出してきたレストン・ナチュールシリーズは、彼のワイン造りへの挑戦心を象徴するワインで多くの人の共感を得てきました。彼が次に目指すのはシュタイナーの哲学の元に栽培をビオディナミに切り替えていくこと。そしてドメーヌが持つ多くの区画のテロワールを表現していくことだそうです。ワイン造りはすべての細かい選択の積み重ねの上に生まれるとジュリアン。そしてナチュラルな醸造には挑戦と忍耐が必要だと言います。区画やミレジムによって常に違うブドウとしっかり向き合い挑戦すること。その結果できあがるワインには最大限の忍耐を持って見守ることを大切にしています。物静かな佇まいの中で常に冷静な判断をくだしつつ、秘めた熱い挑戦心を持つジュリアン・アルベルチュス。エチケット裏面にはQu'est ce que le vin? C'est un corps vivant ou se tiennent en équilibre les esprits les plus divers, les esprits volants et les esprits pondérés..「ワインとは何か,それは軽やかだったり、落ち着きがあったり、色んな気持ちのバランスがとれ活き活きとした体と同じである...」という哲学者のGaston Bachelardの言葉が記載されています。彼の豊かな感性とセンスはまだまだ底知れないと私たちは感じています。「進化する」というよりもジュリアンが静かに脳裏に描き見え隠れする未来が少しずつ形になっていくような感覚。ジュリアン・アルベルチュスの世界はまだ始まったばかりです。

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