ロミュアルド・ヴァロ - Romuald Valot - [ ボジョレー地方 ボージョ ]

   

“ロミュアルド・ヴァロ

陽気な人柄のロミュアルド。自然そのままのブドウが伝えるテロワール。

狭い山道を登った先にある小さな古びた醸造所で、驚くほどピュアで心に響くワインをつくるロミュアルド。ワイルドなもじゃもじゃの髪に、どことなく熊ような風貌。そんな野生的な見た目とは裏腹にニコッと笑う笑顔が印象的で、陽気でいて優しくいつも思いやりを持って接してくれます。ロミュアルドはコート・ド・ボーヌでクラシカルなワインをつくるchâteau de Villers-la-Fayeというドメーヌで生まれました。幼少の時からワインつくりに触れ、20歳の時には南仏バンドルのドメーヌで5年間働き、2009年から2017年にかけてはブルゴーニュに戻りシャンボール・ミュジニーで畑仕事をしていました。そんなロミュアルドがボジョレーにやってきたのは2013年のこと。現在のカーヴとその周辺の畑(エレクトロン・リーブルという区画)3haを手に入れます。最初は畑が有機でなかったこともあり、しっかり収穫できるまで時間がかかりました。そのため2013年から2017年まではシャンボール・ミュジニーのドメーヌと自身のボジョレーの畑を行き来しながら、二つの畑仕事をこなしていました。過酷な仕事状況で体を悪くしてしまうほどでした。はじめて彼のカーヴを訪れワインをテイスティングをさせてもらった時、それぞれのアペラシオンが、それぞれのテロワールを奏でる味わいに心から感動したのを覚えています。こんなにもピュアにテロワールを感じさせるワインはどうつくるのか彼にたずねると、「畑仕事において硫黄やボルドー液を撒かず、何一つ化学物質の付着してないブドウを育て収穫し、自然のままに発酵させることだ。ブドウに付着した化学物質は醸造にも影響を与え味わいが全然違う。」と話してくれました。ボルドー液すら撒かない栽培は時に収穫量を激減させることもあります。しかし収穫したブドウは健全で、発酵は円滑に進み、液体はとてもピュアで土壌のテロワールをしっかり感じさせてくれます。言葉にするとシンプルですが、大きな冒険心と強い忍耐を持っていなければできないワインつくりです。彼は畑を丁寧に観察し、必要に応じてプレパラシオンを畑に撒きます。イラクサを井戸水に漬け込み、ブドウをストレスから守るカモミーユ、霜から守るカノコソウ、他にもノコギリソウや海藻、乳清などを調合します。「時に肥料にもなるし、畑にエネルギーを与えて土のバランスを整えるんだ。テロワールは酵母にある。大気中にも酵母は存在する。自然へのリスペクトがあれば自ずとテロワールがワインに反映される。」とロミュアルド。圧倒的な信念を持ってワインつくりをするロミュアルドですが、まだまだワインのためにやれることがある...と常に次を見据えています。畑にブドウ以外の樹を植え、動物を放ち、ポリカルチャーへの意識を高めています。誰もが躊躇する道を力強く歩み生み出される彼のワインをぜひ味わってみてください。ロミュアルドのような曇りのない笑顔になるはずです。

[ 戻る ]